入れ歯の治療にかぎらず、当院に歯の治療に来院される方を診ながら、ちょっと気になる方に「もしかして頭痛や肩こりとかつらくないですか?」とお伺いするのですが、ほぼ100%当たります。
どうして分かるのか、どこを診ているのかというと「かみ合わせ」です。もっと具体的に言うと、歯ぎしりによる歯のすり減り方とか色々ポイントがあるのですが、要はかみ合わせがずれることによって起こる症状が出ているかを確認します。
かみ合わせがずれることで顎(あご)の筋肉が緊張し、それが頭痛や肩こりにつながっているのです(感じ方には個人差があります)。
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歯の治療をすることで、かえって、かみ合わせがずれることも
このかみ合わせのずれの原因は様々です。物を食べるときに同じところで噛んでしまうというクセの場合もありますし、もともと噛む力がとても強い場合に、そのまま噛み続けると歯に負担がかかるので、少しずつ違う場所で噛むように体が自分で勝手に調整してしまい、結果的にかみあわせがずれてしまうケースもあります。
さらには残念ながら、歯医者で歯の治療をすることで、かえってかみ合わせがずれることもあります。
入れ歯、インプラント、虫歯の詰め物などはその典型例です。1個1個の歯のかみ合わせだけではなく、お口全体のかみ合わせのバランスをとってあげないと、どんどんバランスが崩れていってしまいます。また歯の矯正をすることで、歯並びは良くなったけどかみ合わせがずれてしまって、ひどい頭痛や肩こりに悩まされるようになってしまった、というケースも実はたくさんあります。
整骨院では根本治療ができない
とはいえほとんどの方にとって、たとえば顎関節(がくかんせつ)症や、口が開かないとか、口があまり動かなくなったといった症状が、かみ合わせが原因だという考えになることは少ないので、一般的には整骨院などで治療されている方も多いと思います。もちろん筋肉をゆるめてあげることで一時的に症状がやわらぐこともあります。
ただもしその原因が「かみ合わせ」だった場合は、根本的に治すことは専門知識をもった歯科医師にしかできません。
【補足】側頭筋(そくとうきん)というあごの骨を動かす筋肉が緊張していることが原因
頭痛の原因としてよくあるのが、「側頭筋(そくとうきん)」という頭の両側にある筋肉が緊張している、というものです。この側頭筋(そくとうきん)は、あごの骨を動かす役割があるのですが、通常は両方の側頭筋(そくとうきん)が同じように動いています。
ただかみ合わせがずれると、あごの骨が左右対称に動かないため、それを動かす側頭筋(そくとうきん)の左右で動きが変わってしまい、変な負荷がかかり続けて、それが頭痛につながっているということがよくあります。
まずはその側頭筋(そくとうきん)をゆるめてあげること、そしてその側頭筋(そくとうきん)が緊張している原因となっているかみ合わせのずれを取り除いてあげることが必要です。
かみ合わせの治療は保険対応OK
かみ合わせの治療は保険診療で対応可能です。かみ合わせの練習や、詰め物の調整などで改善するケースもたくさんありますので、歯を削らなくても大丈夫ですし、その他マウスピースを使った治療などもあります。
たとえば当院で入れ歯をお作りになるときには、かみ合わせをしっかり考慮したものになりますので、むしろ「入れ歯にしてから頭痛がない」「入れ歯にしてから肩こりが消えた」という患者さまもたくさんいらっしゃいます。(インプラントや詰め物などの治療においてももちろん十分に検討しています)
また「しっかり調べてほしい」という方には、かみ合わせデンタルドッグ(人間ドッグのかみ合わせの検査特化版のようなもの *自費治療)メニューもご用意していますのでお気軽にお問い合わせください。
すべての歯科医師が高度な理解と技術をもっています
当院では、歯の治療に携わるすべての歯科医師に、「かみ合わせ」に対する理解が不可欠だと考えています。繰り返しになりますが、入れ歯の治療はもちろんのこと、インプラント、虫歯の治療、矯正治療など全ての歯の治療において、かみ合わせを十分に考慮した治療を行なっております。
また当院では院長はもちろん、他の歯科医師も専門の研修を受けており、かみ合わせに関しての高度な理解と対応技術を持っていますので、安心して治療を受けていただくことができます。